子不語の夢と乱歩・不木を語ろう
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タイトル Re^2: 初版と第二刷との差違
投稿日: 2005/04/19(Tue) 23:34
投稿者森 洋介
参照先http://www.libro-koseisha.co.jp/shifugo/shifugo-seigo.html

> 扉の裏に「江戸川乱歩と小酒井不木の、語られざる夢に――」として4行ほどの献辞をつけております。書店でご確認いただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 エエト、圖書館など初版しか置いてない所が多いので老婆心ながら申したのですが、やはり第二版を購入せよといふことですか。書店店頭で筆寫したりしたら營業妨碍でせうし(小生は初版を買ってしまひました)。

 ついでながら。
 「改訂表」にも二箇所誤記があります。
 「163 脚注(263)・12行目 」は正しくは「166 脚注(264)・12行目 」です。
 また「192 〇九二 乱歩書簡・5行目 」の訂正後を「森下氏から巳に」としてありますが正しくは「森下氏から已に」でせう。「已(すで)」は「巳(み)」ではないので。

 「改訂表」に漏れてゐる誤植では、とりあへず四點。
 66〜67頁脚注(八六)所引の「前田河広一郎氏に」は、促音「つ」が小書きにしてない所や「云はれる」とある所などを見ると假名遣は原文通り改めずに引用してゐるやうですが、「であろうとも」「のであろう」「考え方」「という様な」「そうかと」「という考え」「思うもの」等が新かな方式です。初出『新青年』誌を確認してゐませんが、まさか原文ママではありますまい。それとも新かなに改めて引用するつもりが促音と「云はれる」とだけを直し漏らしたのですか。いづれかに統一すべきです。
 90頁脚注(一三二)に所引の正史書翰も舊假名遣ですが、その正史書翰中に更に引用された「西田さんからのハガキ」は、「なのであろう」「あるのだろう」と新かな方式です。「あらう」にすべきでせう。それともこれも原文ママですか。
 226頁脚注(四〇八)所引の喜多村緑郎日記、「かういう事」とあるのは「かういふ事」の誤寫ですか、原文ママですか。
 V 人名索引「ほ」の「本位田準一」の項、「65」とあるは「165」が正しいやうです。

 疑問箇所。263頁脚注(四八一)の文末、「男色を意味する「いわつつじ」は、おそらく、「言わづ通じる忍ぶ恋」を表すものと考えられる」とありますが、「言はず」が正しかるべき所を「言わづ」と表記するのは、無理がありませんか。それともこれはその方面の通説なのですか。岩躑躅の假名遣は「いはつつじ」ですから「いはず(不言)」に通じさせるのは古來和歌にも見られることのやうですが、否定の「ず」を「づ」と誤記するのはなんぼ假名遣に無頓着な昔の人でも犯しにくい間違ひだと思ひます。とにかく、正しい假名遣は「言はず」だし新かな表記なら「言わず」、いづれかにすべき所でせう。

 以上たまたま氣づいた點のみ。特にチェックして讀んだわけではないので、他にまた見つけたら報告します。


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