子不語の夢と乱歩・不木を語ろう
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タイトル 餘談・藤澤衞彦『傳説』
投稿日: 2005/06/05(Sun) 17:58
投稿者森 洋介
参照先http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=AA11405338

>  あっはは。食指動かんですか。確かに森さんのご関心ご嗜好からすれば、近世文学会かもしれませんね。

 昭和文學會大會は、二上洋一氏がどんな話をするのか聽いてみたくも思ひましたが、どうも出不精で、もう一押しふた押し何かないと足を運ぶ氣が滿ちません。近世文學會も、丹羽氏以外の發表に興味があるわけでもなく、當日池袋で用事があるのが一番の理由だったりします。

>  私が買ったのは実は合本されたものなのですが、中に2冊、奥付に日付のない「1巻1号、7月」と、大正7年9月の日付のある「1巻2号、10月」という号が入っていて、これはどういうことかしらと思っています。復刻の解説を読むと出てくるのかな。

 複刻版『傳説』は、解説も前書きも何も無い、ただ複寫して綴ぢただけの代物です。しかも、創刊號目次だけ明らかに新活字で飜刻してあるがそれに就て何の斷りもなく、最終號となった原本第三卷第二號(獺祭號、昭和二年二月)の卷末には「傳説第一卷・第二卷總目次」が附いてゐたのに複刻版ではそれも無くなり、さらにその第三卷第二號の裏表紙は誤って第三卷第一號のものになってゐる、といふ杜撰ぶり。有明書房は安易な複刻屋だったやうです。
 それはさておき、おっしゃるのはNACSIS Webcatで檢索すると下記に該當します(但し「傳(デン)」を「傅(フ)」に誤記して「傅説」とする)。
 http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=AA11405338
 「注記: 記述は1巻2號 (大7.10)による ; 1巻2號 (大7.10)には湖沼號の表示あり」と見えます。
 『傳説』第一卷第四號(大正十五年九月一日發行)の後付け廣告には、「第一次 傳説」としてその「湖沼號」を載せてゐます。廣告文に曰く、「第一次「傳説」は大正七年の發行にかかり、識者間には夙に希覯書を以て目されてゐましたが、偶然の機會で殘部を發見したので、本會直接申込者に限り頒布いたしてをります。/然し創刊號は既に品切、湖沼號亦、八月二十五日現在殘部僅に七十九部を算するに過ぎません」云々。
 つまり複刻版のあるのは第二次『傳説』だったわけです。第一次(全二册?)は國會圖書館にも所藏しない稀覯書ですから、それを含む合本(第二次も合せて?)とは、いい買ひ物をされたやうで、羨ましく思ひます。機會があれば拜見させて戴きたいものです。

 到底「及ぶところではないな」、とは私もよく思ひ知らされます――下記などを見ると。
 http://www.kanwa.jp/xxbungaku/Magazine/Magazine.htm
 http://www001.upp.so-net.ne.jp/yokai/b-ryoukigaho.htm
 でも、亂歩の弟である平井蒼太(通)のことを考へても、エロ・グロ・ナンセンス時代の獵奇嗜好には民俗(族)學志向が伏流してゐるやうで、この領域の探偵趣味との親和性は蔑ろに出來ないやうに感じられ、精々自分なりに少しでも古書勘を養っておかうと思ふ次第でして。

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