子不語の夢と乱歩・不木を語ろう
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タイトル 圧倒的な感動に胸が詰まりました。
投稿日: 2005/01/17(Mon) 02:38
投稿者臼田惣介   <azemichi@hera.eonet.ne.jp>

あまりの感動に圧倒されながら漸く読了しました。
何か歴史的なものが生まれていく過程に立ち会っているような荘厳な思いに打たれながら読んだ次第です。一つ一つの書簡に新しい歴史を生み出しているという自覚は乱歩にもおそらく不木にもなかったでのではないでしょうか。しかし、自らの信念・不安等の偽りの無い心情を連ねた書簡には先人の苦悩とともに探偵小説の誕生への大いなる息吹と可能性が溢れていて胸が詰まりました。
本書に付けられた村上裕徳氏の脚注が素晴らしいのも同様です。学術的な根拠の有無に限界を求めず、二人の先人が未曾有の歴史を生み出す過程に自らの心情を重ね合わせて時代を映し出す。マニアの存在が社会性を持つようになった現代、読み物としての脚注という新しい在り様を示唆したものではないでしょうか。
まさに本書にふさわしい魂を感じさせる脚注だと感じました。


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