皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

Webコラム「 母よ、黒い旗で遺骸を包み…… 」一覧

  • 第8回 告白
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  • 福島泰樹(歌人)    「眞赤なバラがもえながら散って行く日」に始まる「告白」に、改めて出会ったのは2019年5月31日、長澤延子没後60年・高村瑛子没後5年を記念した会が、桐生市内を見下ろす丘の上、水道山記念 […]…続きを読む

  • 第7回 純潔の詩
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  •   福島泰樹(歌人)   昭和23(1948)年5月、老いたピエロに身を俏(やつ)した詩「ピエロ」で、「陽に熟れ」たようなデカダンスの心情を歌った延子は、6月になると大作「深夜の葡萄」を始め「追想」「 […]…続きを読む

  • 第6回 「ピエロ」デカダンスへの韜晦
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  • 福島泰樹(歌人)    死の前年の5月、16歳の延子は、「コムニストに」「なれないとゆう予感を信じていたから、その秋には死ぬつもりで春と夏を過した」(手記B)と記した。……が、学内での活動(壁新聞「ホノホ」の創 […]…続きを読む

  • 第5回 16歳、5月の詩
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  • 福島泰樹(歌人)    昭和23年2月11日、延子は16歳の誕生日を迎える。  この頃、「私が、わたしの前を通り過ぎ/夜の闇に吸い込まれて行く時」と仮想の相聞を綴った短詩「Fに」を綴る。ほどなく、大事件が勃発。 […]…続きを読む

  • 第4回 「雲」 15歳最後の詩
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  • 福島泰樹(歌人)    「うき雲」で延子はこう歌った。  「あゝ私はまだ/こんなに若いのになあ/ポカリポカリと何処へ行く 雲よーー」  この虚無感はなんだろう。    15歳の少女はまた、空を見上げる […]…続きを読む

  • 第3回 浮き雲、15歳の詩
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  • 福島泰樹(歌人)    「折鶴」「寂寥」に続く昭和21年11月、延子14歳の詩は、5連33行からなる詩「冬」。第1連を引く。   緑なる夢のあえかに消ゆるごとく 黄金なす秋は早くもかくれ去ったーー し […]…続きを読む

  • 第2回 折鶴、14歳の詩 生と死の複合
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  • 福島泰樹(歌人)    昭和21年1月、13歳の長澤延子は、詩「白雲」を書き、2月11日、14歳の誕生日を迎えた。3月に、5行3連からにる「うた」を書き、「友よ冬のうれいを捨て去れ/新しい喜びに声高く歌おう/春 […]…続きを読む

  • 第1回 白雲、13歳の詩
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  • 今年2022年は、詩人・長澤延子の生誕90周年という節目の年です。長澤延子は群馬の桐生市に生まれ、戦後まもなく17歳という若さで夭折。しかし、彼女の清冽な詩は、死後友人らによって刊行された遺稿詩集『海』によって広まり、6 […]…続きを読む