皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

僕たちはなぜ取材するのか 極私的取材の世界

僕たちは極めて個人的な動機で取材している!

中立?  公平?  客観報道? 不偏不党? そんな大文字の動機で取材するのもいい。けれど、本書で藤井誠二と語っている、第一線で活躍する表現者たちは、極私的な動機、いわば小文字の動機で取材する者ばかりである。 『最後の職人・池波正太郎が愛した近藤文夫』の中原一歩、『日本の路地を旅する』の上原善広、『ネットと愛国』の安田浩一、『体の知性を取り戻す』の尹雄大、『ヤクザと憲法』の土方宏史、そして『FAKE』の森達也。 僕たちは、なんのために、誰のために、なぜ取材し、どう取材するのか。 取材者としての本音が語られ、取材の手の内が明かされる!

著者 藤井誠二(編著)
発売日 2017年8月1日
ページ数 288 ページ
定価 1,500円(+税)
判型 四六判並製
装幀・造本 小林義郎
ISBN 9784774406374

目次

はじめに――藤井誠二
ノンフィクションで「食」を記述する方法――中原一歩×藤井誠二
「私」を全面展開するノンフィクションの取材とは――上原善広×藤井誠二
なぜ人がやりたがらない取材対象を選ぶのか――安田浩一×藤井誠二
セッションのようなインタビューは可能なのか――尹雄大×藤井誠二
私がヤクザを取材した理由――圡方宏史×藤井誠二
取材とはつねに残酷で私的なものである――森達也×藤井誠二
おわりに――藤井誠二

藤井 誠二 (ふじい・せいじ)(編著)
1965年、愛知県生まれ。高校時代よりさまざまな社会運動にかかわりながら、取材者の道へ。著書に、『殺された側の倫理 犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」』(講談社+アルファ文庫)、『人を殺してみたかった』(双葉文庫)、『光市母子殺害事件』(本村洋氏、宮崎哲弥氏と共著・文庫ぎんが堂)、『壁を越えていく力』(講談社)、『「少年A」被害者遺族の慟哭』(小学館新書)、『体罰はなぜなくならないのか』(幻冬舎新書)、『死刑のある国ニッポン』(森達也氏との対話・河出文庫)など著書・対談本など50冊以上。2017年内に沖縄の消滅した売買春街の戦後史と内実を記録した『沖縄アンダーグラウンド』(講談社)を刊行予定。愛知淑徳大学非常勤講師として「ノンフィクション論」等を語る。ラジオのパーソナリティやテレビのコメンテーターもつとめてきた。