2001.4.24 No20
■■■■■■■■■■■ 皓星社通信 ■■■■■■■■■■■■
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◆◆ 皓┃星┃社┃通┃信┃          ◇2001年4月24日号 No20◇
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隔週刊行(の予定は未定ですが……)
                                    発行所 株式会社 皓星社
                  編集長    川尻 絵馬
                166-0004東京都杉並区阿佐谷南1-14-5
              TEL03-5306-2088    FAX03-5306-4125
                   info@libro-koseisha.co.jp
【等幅フォント推奨】     http://www.libro-koseisha.co.jp
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【目 次】
1.【阿佐ヶ谷歳時記】蟇蛙              松本 純

2.皓星社から
  ・お待たせしました! 
      雑索「専門書詩編」ついに刊行再開!!
  ・ブックレット11『ライは長い旅だから』刊行のお知らせ
  ・ハンセン病国賠訴訟 熊本地裁判決へ向けて

◎編集後記
  ・2001年図書目録完成! 
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☆ 先週、出張で青森へ行ってきました。寒いだろうとは思ってい
たのですが、山間の空港にはなんと残雪。タクシーの運転手さんに
よると、この時期は十和田湖周辺の雪の回廊がおすすめスポットだ
とか。有名な弘前公園の桜は4月末から見頃だそうです。地域によ
って、季節感もさまざまですね。

☆ ……まわりくどく言い訳してしまいましたが、おなじみ「だい
こん屋」ご主人、松本さんの「阿佐ヶ谷歳時記」、またも掲載時期
を逸してしまいました。松本さん読者のみなさま、すみません。し
かし、関東以南の方々には終わってしまった花も、北の方にはこれ
からのお楽しみ。今号の歳時記は、出張でお世話になった青森の方
々へのお礼とさせていただきます。みなさんほんとうにありがとう
ございます!
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【阿佐ヶ谷歳時記】蟇蛙                 松本 純

3月1日
ジンチョウゲ(赤)、モミザ(銀葉アカシア)
 アジサイやユキヤナギの緑の芽、アカメモチの紅の芽が伸びはじ
めます。

3月10日
寒緋ザクラ、シキミ、ミツマタ、ヒサカキ
 ここまでは阿佐谷近辺で確認したのですが、いずれも昨年より5
日ほど開花が遅れているようです。今月は週末に2泊の旅行が重な
って、稿債を果たせそうもありませんので、とりあえず毎年の例を
参考にして、4月15日頃の八重桜の開花までを予想列記してみます。

3月15日
土佐ミズキ、日向ミズキ、コブシ、白モクレン、彼岸ザクラ、花モ
モ、ユキヤナギ、キブシ

3月20日
アンズ、姫ツゲ

3月25日
大島ザクラ、ハタンキョウ、ニワウメ、ユスラウメ、レンギョウ、
ヤナギ、木イチゴ、ソロ、ヤナギ、シキミ、フッキソウ

4月1日
染井吉野ザクラ、枝垂ザクラ、モチ、ネコヤナギ、赤芽ガシワ

4月5日
山ザクラ、カイドウ、ヤマブキ、グミ、ニワトコ、紫モクレン、ア
ケビ、ムベ、ゲッケイジュ、アメリカヒイラギ

4月10日
ナシ、カリン、ヒメリンゴ、ケヤキ、クヌギ、ナラ、シラカバ、ド
ウダン、ハナスオウ、アオキ、カラタチ、イチョウ、モミジ

4月15日
八重ザクラ、花ミズキ、ライラック、クルミ、スズカケ、ユズリハ、
コデマリ、クワ、コウゾ、白ヤマブキ、八重ヤマブキ、ムクロジ

 沈丁花が咲きだすと、蟇蛙(ヒキガエル)の交尾産卵が池や川の
中で始まります。歳時記で「蛙」といえば春の季語なのですが、蟇
蛙と青蛙のみが夏の季語となっており、その蟇蛙の卵が「数珠子
(ジュズゴ)」、「蝌蚪の紐(カトノヒモ)」、孵化した幼生が
「お玉杓子」、「蝌蚪」と呼ばれて春の季語となっています。この
頃には餌となる昆虫類がまだ地上に現れていないので、産卵が終わ
ると再び薮の落葉などの下に潜って冬眠を続けるのです。
 
 子どもの頃、庭にあった一坪ほどの金魚池の脇に、沈丁花が二本
植えられていたのですが、花の頃になると毎夜この池に蟇蛙が押寄
せ、それを殺生嫌いだった祖父が、毎朝一斗バケツに2、3杯も肥
柄杓で掬っては近くの薮へ捨てに行くものの、翌朝になると前の日
とまったく同じ有様というイタチごっこを繰り返していました。
  
 平成9年の3月21日の昼過ぎに、水気もない庭土の上で一対の
蟇が交尾を始めたのですが、夜になって大雨となってできた水溜ま
りに、小鉢一杯ほど産卵しているのを翌朝見つけました。雨も上が
ってしまい、そのままでは干涸らびてしまうのは目に見えているの
で、プラスチックの容器に水を満たして紐状の卵の塊を入れておい
たところ、4月3日から孵化が始まり、20匹ほどの蝌蚪が生まれ
ました。但し孵化率は1パーセントにも満たなかったと思われます。
4月の末頃に後脚が生え、2週間後には前脚も生え揃ったのですが、
次第に数減ってゆくので注意して見ると、何と容器の垂直の壁を攀
じのぼって逃げていたのです。成長した蟇にはこのような能力は無
いのですが、幼体にはその四肢に物に貼りつく能力が備わっている
ようです。結局残ったのは7匹のみで、近くの馬橋公園の池に放し
てしまいました。

    流れきて次の屯(なむろ)へ蝌蚪ひとつ    高野素十
    川底に蝌蚪の大国ありにけり    村上鬼城
    童らに桁違ひなる蝌蚪の数     拙
  
 九段の靖国神社の境内の桜を基準にしている東京の染井吉野の開
花予定日は、今年は3月25日とのことですが、(平均開花日は3
月29日)

    毎年よ彼岸の入に寒いのは      正岡子規
    
の句のごとく、開花の一週ぐらい前に天気がぐずつくことが多く、
さらにこのあたりでは都心より1、2日遅れるので、一応4月1日を阿
佐谷の開花の目安としておきます。
  
  近年、東京の開花が最も遅れた例は、1984年の4月11日という記
録があります。この年は1月から4月にかけて異常低温が続き、27
回の降雪を見た年です。逆に早い例としては、1889年の3月20日が
あります。

  染井吉野の寿命は、ほぼ80年くらいといわれていますが、有名な
天沼の蓮華寺の桜も、最近とみに衰えを見せはじめました。20年ぐ
らい前までは、大きく張り出した下枝に一面の花を咲かせ、堂宇が
花に隠れる程だったのですが、最近では老化した太枝が切りつめら
れて、昔日の面影もありません。

    如意輪の花をこの世に観世音     拙
  
  そのかわりに善福寺川沿いの若い桜が、毎年花見客を集めていま
す。また、中央線高尾駅の北側の山間にある、農林水産省の実験林
が4月中のみ一般に開放され(日曜休園)、さまざまな園芸種を見
せてくれます。
  染井吉野の開花から3日ほどして、山櫻が咲き、その十日後にい
ろいろな八重桜が咲きはじめます。

【関連リンク集】
● 蟇蛙については
ニホンヒキガエル。豪華写真付き。
http://www.hkr.ne.jp/~rieokun/frog/jpnhiki.htm

ミシガン州のカエル……ただし全文英語です。
Michigan Frogs & Toads
http://imc.lisd.k12.mi.us/frog/Frogs.html

蟇ではありませんが、カエル情報盛りだくさん。
http://www.luvnet.com/~GARA/frogschool/k-jyoho.html

鳴き声まで聞けます。
http://www.nat-museum.sanda.hyogo.jp/wave/wav_kaeru.html

● 桜について
全国 桜の名所
http://www.mmbc.co.jp/mmbc/sakura/meisyo.html

東京都の桜情報
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/1999/02/2092PA00.HTM

森林総合研究所 多摩森林科学園HP
http://www.ffpri-tmk.affrc.go.jp/index-j.html

まだ見られます! 弘前公園桜情報
http://www.city.hirosaki.aomori.jp/sakura/

●  おまけ……「雪の回廊」。ほんとに雪が残っている!
http://www.infoaomori.ne.jp/~mtos0228/kairo.htm
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☆ この話題についてのご意見ご感想、情報をぜひ掲示板に!
http://www.libro-koseisha.co.jp/top09/top09.html
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【皓星社から】

● お待たせしました! 
      雑索「専門書詩編」ついに刊行再開!!

 ご好評いただいております『雑誌記事索引集成』の第3弾、「専
門書誌編」の刊行がいよいよ再スタートします。第7回配本は4月
26日刊行予定。本年10月にすべての配本が終了する予定です。

 第7回配本 戦前中国 全11巻 ¥150,000!J!\@G!K
                     ……4月26日刊行!
 第8回配本 地理学 全3巻+別巻1 ¥60,000(+税)
                        ……7月刊行
 第9回配本 南方関係1 全5巻 ¥100,000(+税)
                        ……8月刊行
 第10回配本 南方関係2 全5巻+別巻1 ¥100,000(+税)
                        ……10月刊行

☆ 「専門書誌編」既刊分についてはこちらをどうぞ
http://www.libro-koseisha.co.jp/top03/top03.html
☆ 『雑誌記事索引集成』データベース ぜひご利用ください!
http://www.libro-koseisha.co.jp/top01/top01.html
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● 皓星社ブックレット11『ライは長い旅だから』刊行!

 前号でのお知らせ後、たくさんのお問い合わせをいただきました
『ライは長い旅だから』、4月26日ついに刊行です。
  谺さんの詩に、趙根在さんが写真を添えたこの詩集、圧倒的な
力をもって、読者に語りかけます。ぜひ一度ご覧ください。
        A5判 約180頁 並製カバー装  定価1,600円+税

☆ お申し込み、ご予約はこちら。
「ご意見欄」に書名、部数を入力してください。
http://www.libro-koseisha.co.jp/link01.html

● 最新のブックレットは、10冊目の
『証人調書(2)・「らい予防法国賠訴訟」和泉眞藏証言』
            ハンセン病国家賠償請求訴訟弁護団 編
            
 1999年6月17日・12月17日に熊本地裁で行われた裁判記録より、
和泉眞藏氏の証言全文と意見書を収録しました。
 医師の和泉氏が人生を賭けて行った証言。氏は裁判の後、さばさ
ばした表情で「これで僕も国立療養所の平医師どまりだな」と語っ
たそうです。
             A5判 約180頁 並製 定価800円+税

☆ ブックレット10についてはこちらをご覧ください
http://www.libro-koseisha.co.jp/top03/rb910.html
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● たびたびお伝えしていますが、5月11日、ハンセン病国賠訴訟
熊本地裁の判決が出ます。TV、新聞等で目にすることも多くなる
でしょう。突然ですが、ここで皓星社から国賠訴訟関係のTV・ラ
ジオガイドをどうぞ。
 判決当日、NHKの「あすを読む」でハンセン病国賠訴訟が取り
上げられます。NHKラジオでも「土曜ジャーナル」で放送予定。
こちらは5月12日の夜だということですが、詳細は未定。くわしい
情報が入りましたらお知らせします。
 そのほか、ニュース番組の特集で放送されるという話もあり。み
なさま、裁判の行方を見守ってまいりましょう。
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【編集後記】
● 2001年版図書目録がついにできあがりました。見やすいレイア
ウトに写真や目次、頁見本なども入った豪華(?)リニューアル版。
すでにご請求いただいている方、お待たせいたしました。ただ今発
送手配中です。「欲しい!」とおっしゃっていただける方、下記よ
りご請求くださいませ。お名前、お届け先ご住所、お電話番号、そ
れに「目録送れ」とお書き添えのうえご送信願います。ついでに、
わたくし川尻へのご意見、ご叱責等いただけましたら幸いです。

☆ 目録請求先……ご意見欄に「目録」と明記してください
http://www.libro-koseisha.co.jp/link01.html
☆ 皆様のご意見ご感想、情報をぜひ掲示板に!
http://www.libro-koseisha.co.jp/top09/top09.html
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