皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

大正十二年九月一日

福島泰樹、反逆の第三十五歌集。

《この本が紹介されました》

岩手日報 2023年10月15日号

 2024年3月・4月号

空も焦げ血のりとなって地を圧す帝都壊滅 戒厳令下
獄庭に咲くつつじ花、ギロチンに斃れた友の赤いまなざし
俺は誰だ! 奪還屋ゴロツキテロリストギロチン裸で踊ってる奴
灰色の壁のスクリーン 浮かびくる生々しくも死せる男ら
俺もまた人の心に浮かびくる残像として生きてゆくのか
めには見えない人のこころのガラス戸に零落の風吹き荒れていた
骨箱をぎっしり積んで疾走する闇の機罐車、大正は夢

大正という時代は、人々に階級意識を芽生えさせ、労働争議 小作争議が相次いだ。厳しい弾圧のなか、労働運動家・無政府主義者が暗躍、制度の改革を求めた。関東大震災は、こうした時に起こり、時代の流れを一気に戦争へと逆流させた。いま痛苦と圧制の時代、画人・文人・芸人・浮浪人・アナーキストら死者が起ち、踊りながら歩き出す!

著者 福島泰樹
発売日 2023年10月30日
ページ数 248 ページ
定価 2,800円(+税)
判型 四六判上製
装幀・造本 間村俊一
カバー写真・
イラスト
関根正二
ISBN 978-4-7744-0800-2

目次

序 大正十二年九月一日
序歌


本郷片町の歌


風狂の歌
「月映」の歌
パンタレイの歌


出郷の歌
金子文子の歌
「死の懺悔」の歌


黒パン党の歌

跋 うたで描くエポック 大正行進曲
あとがき

福島泰樹 (フクシマヤスキ)
1943 年 3 月、東京市下谷區に最後の東京市民として生まれる。早稲田大学文学部卒。1969 年秋、歌集『バリケード・一九六六年二月』でデビュー、 「短歌絶叫コンサート」を創出、朗読ブームの火付け役を果たす。以後、世 界の各地で朗読。全国 1700 ステージをこなす。単行歌集 35 冊の他、『福 島泰樹歌集』(国文社)、『福島泰樹全歌集』(河出書房新社)、『定本 中也 断唱』(思潮社)、評論集『追憶の風景』(晶文社)、『自伝風 私の短歌のつ くり方』(言視舎)、D V D『福島泰樹短歌絶叫コンサート総集編 / 遙かなる友へ』(クエスト)、CD『短歌絶叫 遙かなる朋へ』(人間社)など著作多数。 毎月 10 日、東京吉祥寺「曼荼羅」での月例短歌絶叫コンサートも 39 年を迎えた。