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ハンセン病文学全集 4 記録・随筆

ハンセン病患者・元患者による作品の集大成。記録・随筆篇

ハンセン病文学全集 4 記録・随筆 大岡信、大谷藤郎、加賀乙彦、鶴見俊介(編)皓星社

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現代は残像なき文化
近代日本を覆う「残像なき文化」と違う文化が、隔離の代償として同じに成立したという事実だ。
鶴見俊輔(「西日本新聞」2002・10月17日より)

ハンセン病療養所の歴史の貴重な<証言>として残る膨大な文章を「記録1」「記録2」「随筆」の3章に分けて編集。藤本とし「地面の底がぬけたんです」を筆頭に、明石海人、北條民雄、崔南龍、香山末子、津田せつ子、金夏日、島比呂志ら、計48人、131タイトルを収録。とくに女性、在日韓国・朝鮮人の作品を多く選んだ。鶴見俊輔編集委員による書き下ろし解説を付す。

編者 大岡信、大谷藤郎、加賀乙彦、鶴見俊介
発売日 2003年3月17日
ページ数 788 ページ
定価 4,800円(+税)
判型 A5版上製
装幀・造本 安野光雅
ISBN 9784774403939

目次

記録 Ⅰ

「地面の底がぬけたんです」藤本とし
「一握の藁を求めつつ」島田尺草
「「櫟の花」巻末記」島田尺草
「自宅療養時代」明石海人
「明石病院時代の手記」明石海人
「明石病院時代の日記」明石海人
「病中日記」明石海人
「歌日記」明石海人
「一九三四年(昭和九年)」北條民雄
「一九三五年(昭和十年)」北條民雄
「一九三六年(昭和十一年)」北條民雄
「一九三七年(昭和十二年)」北條民雄
「重病室日誌」北條民雄
「続重病室日誌」北條民雄

記録Ⅱ

「あとがき――自伝ふうに」古川時夫
「黴」萑南龍
「永い道」安述蓮
「不自由寮」林乙龍
「一人の女」具南順
「若い人」権裕成
「遠い記憶」朴学信
「収容所で」金玉先
「韓国人と蔑まれて」李成城
「強制収容」厳二峯
「正子の死」帳徳順
「二十三歳」卞春子
「ぼくの収支簿から」姜裕賛
「母国訪問記」川野順
「蓮井三佐男のこと」吉田美枝子

随筆

「嘘」高屋緑樹
「別れ道」下河辺譲
「流れの中より」水川圭子
「盲目夫婦」吉成稔
「渦の中に」川野順
「十九歳」旗順子
「退園の日に」長沢志津夫
「正男ちゃんと僕」福家孝志
「遍路」重見一雄
「足跡」伊藤武
「いばら」飯倉峰次
「奉仕作業」水田広
「金看板」宮島俊夫
「猫の目」宮島俊夫
「長島八景」千葉修
「泣虫小僧」田井吟二郎
「声」和公梵字
「盆踊」和公梵字
「友情」佐治早人
「モデル病室」宇城茂
「入園した頃の思い出」香山末子
「大好きな先生」香山末子
「病院生活」香山末子
「入室」香山末子
「テレビと洗濯機」香山末子
「或る日の呟き」光岡芳枝
「病室点描」光岡芳枝
「だるま」高杉美智子
「杖の探検」高杉美智子
「おきあがりこぼし」高杉美智子
「安らぎを得て」高杉美智子
「紫陽花」高杉美智子
「哀悼記」津田せつ子
「あにさん」津田せつ子
「紅いけし」津田せつ子
「ほおずき」津田せつ子
「花束贈呈」津田せつ子
「おくりもの」津田せつ子
「北條さんの思い出」津田せつ子
「わが恩人」津田せつ子
「無料の代償」津田せつ子
「昏迷」津田せつ子
「思い」津田せつ子
「兄と北條さんと」津田せつ子
「K子ひとり」津田せつ子
「日記から」津田せつ子
「地に爪痕を残すもの」津田せつ子
「縁」津田せつ子
「余命」明石海人
「粉河寺」明石海人
「詩と歌」明石海人
「癩院記録」北條民雄
「続癩院記録」北條民雄
「発病」北條民雄
「猫料理」北條民雄
「柊の垣のうちから」北條民雄
「父」甲斐八郎
「父の遺産」甲斐八郎
「花までの距離」政石豪
「逃げない小鳥」政石豪
「寮父の手帖」政石豪
「駱駝」政石豪
「生きているような眼」政石豪
「帰郷まで」政石豪
「海」政石豪
「病棟雑感」朴湘錫
「私の歩んだ八十年」李洛奎
「韓国の太鼓と兄の思い出」金末子
「望郷」金末子
「薯雑炊」金末子
「つつじ公園にて」金末子
「馬車」金末子
「お寺のお経」金末子
「息子の旅も飽きがくる」金末子
「光と私」金末子
「君子さん」金夏日
「点字ハングル」金夏日
「足あと」藤本とし
「くだける」藤本とし
「アカシヤの土堤」藤本とし
「生きている」藤本とし
「光芒」藤本とし
「ある朝」藤本とし
「謎」藤本とし
「音と声から」藤本とし
「秋」藤本とし
「福音」藤本とし
「盲友」藤本とし
「ほしかげ」藤本とし
「墓標を抱く草花」本田稔
「野良のクロちゃん」本田稔
「花見ずし」本田稔
「一すじの絹雲」本田稔
「「治る」かなしみ」島田等
「マミの引越」島比呂志
「おしめ」島比呂志
「マミの死」島比呂志
「留守居」島比呂志
「アイリス」島比呂志
「蛍狩り」島比呂志
「「阿母」の死」島比呂志
「生きてあれば」島比呂志

解説