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天河庭園の夜

追懐、岡井隆  福島泰樹第33歌集

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図書新聞 2021年11月20日

歳月は蜜であったろ厳かな罰であったよ 雲ながれゆく

「天河庭園」、どのような場所、何を指してのそれであろうか。もしかしたらそれは、漆黒の闇の天空をのびやかに彩る、しなやかな女体であるのかもしれない。いや、おそらくそうであろう。

私は、『天河庭園集』一巻を編むことによって、岡井隆後半の長大な旅立ちの餞としたのである。長く交友は絶えていたが、訃報に接するや旧懐の情おさえがたく、第33歌集を「天河庭園の夜」と名付け、わが「IF」同人岡井隆への追悼の辞とした。(本歌集収録論考「曇り日の秋田を発ちて」より)

2020年、前衛歌人・岡井隆が没した。岡井隆、寺山修司、吉本隆明、冨士田元彦、小野茂樹、岸上大作、桶本欣吾……叛逆の時代を共に生きた者たちへ捧げる第33歌集。

著者 福島泰樹
発売日 2021年7月30日
ページ数 192 ページ
定価 2,500円(+税)
判型 四六判上製
装幀・造本 間村俊一
ISBN 978-4-7744-0746-3

目次


天河庭園の夜
月光の坂

オルフェウスの歌
世界は花の
とわの宴


追憶の川
赤いサンダルの歌
把手


岸上大作の墓
絶筆

曇り日の秋田を発ちて ─ 岡井隆第五歌集『天河庭園集』の後先

福島泰樹(ふくしま・やすき)

1943 年 3月、東京市下谷區に最後の東京市民として生まれる。早稲田大学文学部卒。1969 年秋、歌集『バリケード・一九六六年二月』でデビュー、「短歌 絶叫コンサート」を創出、朗読ブームの火付け役を果たす。以後、世界の各地 で朗読。全国 1600ステージをこなす。単行歌集 33 冊の他、『福島泰樹歌集』(国文社)、『福島泰樹全歌集』(河出書房新社 )、『完本 中也断唱』(思潮社)、評論集『追憶の風景』(晶文社)、『日蓮紀行』(大法輪閣)、DVD『福 島泰樹短歌絶叫コンサート総集編 遙かなる友へ』(クエスト)、CD『短歌絶叫 遙かなる朋へ 』(人間社)など著作多数。毎月10日、東京吉祥寺「曼荼羅」での月例短歌絶叫コンサートも36 年目を迎えた。