皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

長澤延子全詩集

夭折の詩人・長澤延子の全詩業

私の詩集は錯乱と敗北と戦傷の歴史だ。ざわめくその墓標だ。(「手記A」)

私は一本のわかい葦だ
傷つくかわりに闘いを知ったのだ(「墓標」)

戦後まもなく17歳の命を断った詩人・長澤延子が遺した全詩稿と、自殺失敗から絶命にいたる65日間の手記のすべてを収録。
学生が蹶起、あの叛乱の時代に、延子の詩とノートがバリケードの中で甦った。『友よ 私が死んだからとて』は、10万部を突破!あれから半世紀、この痛苦と忍耐と圧制の時代に、延子の詩は再び甦るか……。

 

※本書は、テキスタイルデザイナー・新井淳一氏の布(青・紫の2種類)を使用した布クロス装です。布色をご指定されたい方は書店様でご注文時にご希望をお伝えいただくか、弊社ウェブショップでお選びの上ご購入ください。

著者 長澤延子
編者 福島泰樹
発売日 2021年6月30日
ページ数 850 ページ
価格 9,000円(+税)
版型 A5判上製
装幀・造本 間村俊一
カバー写真・
イラスト
布提供:新井淳一
ISBN 978-4-7744-0736-4

目次

『海 長澤延子遺稿集』

 

長澤延子全作品

 

詩集ノート「A」「B」「Note book」

【十五才の詩集】
短歌三首(無題)/白雲/うた/短歌二十八首/わかれ/幻の十二階―おぼろな物語ヨリ/折鶴/寂寥/冬/若さ/おどろき

【十六才の詩集】
慕情/物語/果実/黑い星/うた/困惑/喪失/うき雲/雲

【十七才の詩集】
離愁/Fに/深夜の葡萄/追想/※短歌三首/わだち/ヴェニス断想/短歌三首(無題)/白い玩具/告白/ニッポン/旗/黄昏/乳房/別離/風車/ひととき/悲鳴/海綿/旅程/宿り木/招待/ランプ/鎮魂歌/悲鳴/白いランプ/「死」に至る病/光/浸食/舞踏会/饗宴/ロバ/ヨット/オーケストラ/愛らしい人に/招待/営業方針/海/みれん/めぐり/市場/コント葦/白晝/岐点/トリロ/生誕/殺害/宴/造物主/サケビ/歴史/客人/日記/アカツキ/齡/ヨル/女/玩具/足音/未開花

【十八才の詩集】
墓標/ハタ/ウタゴエ/挽歌Ⅰ/挽歌Ⅱ/出発/墓標/ハタ/ウタゴエ/挽歌Ⅰ/挽歌Ⅱ/出発/挽歌Ⅲ/旅立ち/樂章/便箋/散歩/默火/褐色の女/さる内部にて/淚/顏/聖歌/テロリスト/恋/滅亡/手記/みち/マンドリン/カード/いたみ/年と月/帰路/都会/復活祭/十字路/都会/美しき市/距離/被告/鏡面/太陽/渇望/出来事/昇華/牧鐘/コップ/捧げ持つ者/星屑/唖娘/午後/白衣

 

手記

遺稿  寄港日誌

詩集ノート未収録詩と異稿

 

解題   クリハラ冉
特別寄稿 新井淳一「長澤延子は今も生きている」
特別寄稿 澤地久枝「双生児めいて」
解説   福島泰樹「母よ、静かな黒い旗で……」

年譜 クリハラ冉
跋  福島泰樹

長澤延子(ながさわ・のぶこ)
1932年、長澤延子は絹織物と養蚕の町、群馬県桐生に生まれる。4歳で母と死別、読書と思索の日々の中で死への欲求は少しずつ育つ。1949年高等女学校卒業後、詩と手記を清書した5冊のノートを親友・高橋瑛子に托す。同年6月1日、服毒。17歳だった。
『長澤延子遺稿集 海』(1965年、私家版)、『友よ、私が死んだからとて』(1968年、天声出版)など、これまでに多くのアンソロジーが組まれ、その度に大きな反響を読んできた。

 

福島泰樹(ふくしま・やすき)
1943年3月、東京下谷生。早大卒、69年、歌集『バリケード・一九六六年二月』でデビュー。「短歌絶叫コンサート」を創出、朗読ブームの火付け役を果たす。85年4月、「死者との共闘」を求めて東京吉祥寺「曼荼羅」で「月例」コンサートを開始。
同年6月、短歌絶叫コンサート「六月の雨/樺美智子、岸上大作!よ」を開催。ブルガリアを皮切りに世界の各地で公演。国内外1600ステージをこなす。単行歌集に『下谷風煙録』(皓星社)他32冊、全歌集に『福島泰樹全歌集』(河出書房新社)。評論集に『弔いーー死に臨むこころ』(筑摩書房)『寺山修司/死と生の履歴書』(彩流社)、『誰も語らなかった中原中也』(PHP新書)、『追憶の風景』(晶文社)。他にDVD『福島泰樹短歌絶叫コンサート総集編/遙かなる友へ』(クエスト)など著作多数。毎月10日、吉祥寺「曼荼羅」での月例「短歌絶叫コンサート」も36年を迎えた。