皓星社(こうせいしゃ)図書出版とデータベース

増補 射こまれた矢 能登恵美子遺稿集

『ハンセン病文学全集』もうひとつの物語。没後10年目の増補版。

〈この本が紹介されました〉

・熊本日日新聞 2021年5月12日

・図書新聞 2021年6月26日

ハンセン病のことに打ちこむ人は、矢を射こまれたようにこのことに打ちこむ。能登さんは、そういう人の一人だ。この矢を抜いてくれと叫びたいときはあっただろう。しかし、矢を抜いてもらわない生涯を生きた。(鶴見俊輔 序文より)

能登恵美子は『ハンセン病文学全集』完結を目指し、全国の療養所を回って地道に作品を集めた。ハンセン病患者たち、全集の編者たちから絶大な信頼を受け、同全集を完結させた。
「わすれさせてなるものか」という決意の人生を歩んだ編集者の遺稿集。

著者 能登恵美子
発売日 2021年4月15日
ページ数 368 ページ
価格 1,000円(+税)
版型 四六判上製
装幀・造本 安野光雅
ISBN ISBN978-4-7744-0744-9

目次

序文
能登恵美子さん 鶴見俊輔
はっきりとした目的を持った人  加賀乙彦

射こまれた矢
タイムカプセルに乗った書籍
隔離の園の子供たち ――ハンセン病患者児童の作品を読む
「生の証し」後世へ集大成 ――ハンセン病「もう一つの運動」文学全集刊行
雲の行方

編集日誌

句集 むくろじ
自選句
拾遺

追悼・能登恵美子
呼ばれるから、境界まで行きたがる人 アサノタカオ
能登さんへ……縁側からおじゃましてます  阿部正子
村松武司 日韓とハンセン病に命をかけた詩人  安野光雅
能登恵美子さんの思い出  榎本初子
一期一会 太田 明
『射こまれた矢』に寄せて 清原 工
「尻尾のない犬」─忘れられたハンセン病小説・その周辺─ より 倉田孝一
清里の一夜 栗原哲也
鷗の唄  黒川 洋
能登恵美子さんのおもかげ 斎藤真理子
言葉の重さ、生のあかし 8月から刊行「ハンセン病文学全集」  白石明彦
一命はきりあるものよいと愛しく─能登恵美子 渡辺雅哉
未来の能登恵美子 晴山生菜

あとがき  藤巻修一

能登恵美子 略歴
1961年3月29日 能登帝雄、貞子の長女として東京都豊島区に生まれる。
1963 年2月13日 妹・明美誕生。
練馬区立中村小学校・中村中学校を経て、1979年豊南高等学校卒業。
卒業後は、アルバイトをしながらギター教室に通う。
1980年4月 高田馬場にあった日本児童文化専門学院第一期生として入学。創設者池田希氏によれば、出願したのも一番だったという。
教員に詩人の井出則雄、児童文学者の安藤美紀夫、大石真、藤田のぼる氏らがいた。
1983年3月卒業。いくつかの出版関係のアルバイトをへて、1985年皓星社入社。
『海人全集』(1993年)『ハンセン病文学全集』(2002 年〜2010 年)などの編集を担当。
2011年1月18日『ハンセン病文学全集』出版により第7回出版梓会新聞社学芸文化賞。
2011 年3月7日 東京女子医大病院で逝去。享年49。