子不語の夢と乱歩・不木を語ろう
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タイトル Re: 乱歩書簡の翻刻について
投稿日: 2005/02/21(Mon) 08:28
投稿者小松史生子

このたびは、貴重なご指摘ありがとうございました。ご指摘を頂きまして検討をいたしました結果、訂正するべき箇所を正誤表に掲載することになりました。
その他、以下のご指摘に関しましては、説明を申し上げます。

▼〇一〇 乱歩書簡 一月二十四日
Q:35頁 松野一夫、(神部)正次の諸氏に → 神戸
A:ご指摘の文字は、確かに「江戸川乱歩」の「戸」などとよく似ており、また大正十五年二月二十五日(本書191頁)の「神部」は別の字体になっております。しかし一方で、大正十四年七月十六日付書簡(本書105頁)の「二千部」の「部」の表記などは、やはり「戸」によく似た字体が使われております。つまりこれは乱歩の崩しのクセで、「部」の崩しに関する書き分け意識が働いていない結果と考えられます。したがいまして、ご指摘箇所の「神戸」はこのままの字で「神部」を表しているという判断です。


▼〇七四 乱歩書簡 十月二十五日
Q:161頁 御宅へ御伺ひする(心積)で居ります。 → 心胆
A:こちらは、確かにつくりの形が「積」よりも「胆」に近く見受けられます。が、偏の崩しに未だ疑問点が残るため、さしあたり現状はこのまま残し、更なる検討を続けたいと思います。

▼○八五 乱歩書簡 十二月十七日
Q:182頁 その代り稚気満々の代物で、御恥しい(こと)です。 → 次第
A:ご指摘を受け検討いたしましたが、未だ解釈の難しい不明字ということで、確とした訂正はこのたびは見送ることにいたします。更なる検討を続けたいと思います。

以上でございます。上記3点以外の修正点は、ご指摘に従い、順次正誤表に反映させます。
書簡翻刻検討という作業にご協力くださいましたことに、深く御礼申し上げます。特に、苦楽園ホテルのご教示は、乱歩の大阪時代ならびに探偵小説の大阪に於ける活動やそのネットワークの様相をうかがわせるもので、今後の乱歩研究一般に役立つことと思います。ありがとうございました。


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